モテ系同期と偽装恋愛!?

「ん〜? 遼太郎は葵ママに惚れてんの?
ダメだよ〜ママは俺のもの〜」

横山くんの言葉に副工場長がトンチンカンな返しをするから、店内はドッと笑いに包まれた。

その後は私と横山くんの関係を冷やかしたり、なんで交際を断るのかと質問されたり、また明るい空気が場を包む。

「フラれたのは秘密にしておいて下さい。
恥ずかしいですから」

横山くんはそんな風に笑って受け答えしていて、隣に座る私は……心が痛かった。

また守られてしまった……。
それも、彼のプライドだけが傷つく方法で守られるなんて……。

今、泣きそうなのは恐怖からではなく、横山くんの優しさのせい。

差し出してくれた彼の手を払いのけ、可愛くない態度で酷い言葉を浴びせる、こんな酷い私なのに……最後まで守ってくれるなんて……。

心を覆う強固な壁が、バラバラボロボロと、音を立てて剥がれ落ちる気がしていた。

横山くんは他の男性たちと、なにかが違う。

全て打ち明けたなら、私はどんな風に変わるのだろうか……。

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