モテ系同期と偽装恋愛!?
ポンポンと投げ合うテンポのよい会話の中に、入社以来5年間のふたりの友情が感じられて、なんだか羨ましい……。
男性が怖くなかったら、私も桃ちゃんのように、彼と友達になれていたのだろうか。
友達という言葉に、特別な響きを感じる私。
男友達なんて今までは考えられなかったが、遼介くんとなら……。
そんな憧れにも似た気持ちが芽生え、ふたりの軽妙なやり取りの中でポツリと呟いてしまった。
「私も遼介くんと、友達になりたい……」
会話を楽しんでいたふたりが同時に話すのをやめて、私に視線を向ける。
桃ちゃんには呆れたような目で見られてしまい、遼介くんには眉間の間にシワを寄せられてしまった。
それでも自分の犯したミスにまだ気付けず、ふたりを交互に見て首を傾げると、彼が完食間近の皿の上に溜息を落としてから、私の手を握ってきた。
「偽物でも、俺は一応、紗姫の彼氏ね。
分かってる?」
「う、うん……」
「恋人って、友人より親密性が高くて関係としては上だと思うんだけど」
「そうなんだ……」
「紗姫って、天然?」
遼介くんが困ったような顔をしていて、桃ちゃんが向かいの席で吹き出し、笑いながら言った。