モテ系同期と偽装恋愛!?
「紗姫は天然じゃないよ。恋愛に関して真っ白なだけ。
男に慣れる練習だけじゃなく、恋の仕方も教えてあげて」
「それができればWin-Winだけど、難しいな……」
他者との間にまずは高い壁を築いてから関わってきた私にとって、友達になりたいと思うことは最上級に気を許している証拠。
それがふたりに伝わらないのは残念だが、それでも嬉しく思っていた。
3人で会話をしているこの時間が、すごく楽しくて……。
その日の仕事終わり、出張報告書をまとめていたために定時で上がれず、席を立ったのは19時頃だった。
部署内を見回すと、まだ10人ほど残業中の社員がいる。
その中に、遼介くんの姿もあった。
一応声を掛けてから帰った方がいいかと思い、他の社員の注目を浴びないようにこっそり彼に近づいた。
「お疲れ様、先に帰るね」
わざわざ小声で言ったのに、「俺も後少しで終わるから一緒に帰ろ」と大きな声で言われてしまう。
遼介くんは恥ずかしくないのだろうか……恥ずかしくないのだろうね、きっと。
そんなことを聞けば、なぜそう思うのかと逆に質問されてしまいそうなので、社食で待つことを伝えてその場を逃げ出した。