モテ系同期と偽装恋愛!?
体を寄せ合って……私にできるだろうかという不安は拭えないが、真っすぐな彼の目と励ましに応えなければいけないと思った。
駅前のレンタルビデオ店に寄ってDVDを一本借りてから、私の自宅に向かう。
10階建てのマンションの5階に上がり、鍵を開けてどうぞと、彼を先に中に通した。
「いい香りがする」
玄関先でそう言われた理由は、ポプリを置いているせいだと思う。
備え付けの白いシューズロッカーの上にガラスの鉢を置いて、中に手製のポプリを入れている。
私がベランダガーデンで育てた花を乾燥させた物で、青と紫の花びらを入れた鉢は見た目に涼しげで、アロマオイルを垂らしてあるので爽やかな香りも楽しめた。
そういう説明をしながら短い廊下を通ってリビングに入り、電気をつけると、緑の多さに彼は驚いていた。
「ベランダも、プランターと鉢植えでいっぱいなんだ」
「へぇ、ガーデニングが趣味なのか。
そういえば、大会議室にも花を飾っていたもんな」
次のデートは花を観賞できる場所にしようと提案され、そうか、一応交際しているのだから休日はデートをするものなのかと理解して頷く。
それからエプロンを着て、冷蔵庫を開けた。