モテ系同期と偽装恋愛!?

帰り道で、夕食になにか買って帰ろうと言われたが、それを断っていた。

昨日買い物したばかりなので、冷蔵庫に食材は十分に入っている。

人に振る舞えるほどの料理の腕はないけれど、簡単な夕食を作るからと言ったら、彼はすごく喜んでくれた。

「なに作るの? 俺も手伝う」

スーツのジャケットを脱いだワイシャツ姿の彼は、ネクタイを片手で緩め、ワイシャツの袖を捲り上げながらそう言った。

今日は炒飯と水餃子とサラダにする。

もう20時近いので、早く作れるものがいいと考えての簡単メニューだ。

「よっしゃ」と掛け声ひとつ、遼介くんが玉葱のみじん切りを始めた。

その腕前は、テレビの料理番組に出てくる先生並に早くて綺麗……。

なんでも器用にこなす人なのだと、彼のポテンシャルの高さに感心しつつ、私は水餃子用のお湯を沸かし、サラダのレタスをちぎっていた。

これでは私がただの手伝いで、遼介くんに作ってもらっているみたい……そう感じていたら、フライパンで調理する過程は任された。

「紗姫の味付けの炒飯が食べたい」と、笑顔で言われて。

器用な遼介くんが作る方が、美味しくできそうな気もするけれど……。

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