モテ系同期と偽装恋愛!?

遼介くんが嫌で逃げてしまった訳ではないと、言わなくても分かっていると思うけれど、傷つけてしまったのは確かみたい。

もう一度謝ってみたが、「ん……」としか返事をしてくれず、しゃがみ込んで俯いたまま。

オロオロしながらスーツの広い背中を見下ろしていた私だが……その内にふと、これならできるかもしれないという気持ちが芽生えた。

正面から抱きしめることに失敗しても、背中側からなら何とかできそうだと……。

両手をぎゅっと一度握りしめてから開いて、彼の真後ろの床に膝をついた。

グレーのスーツの背中にそっと胸と頬をあて、恐る恐る両腕を彼の体に回して抱きしめてみる。

できた……しかも、思ったより怖くない。

心臓はバクバクと忙しく動いているが、手も震えていないし、呼吸も苦しくなかった。

「遼介くん、できたよ!」

嬉しくなってそう言うと、なぜか「離れて」と言われてしまう。

せっかく成功したのに、なぜ離れてというのか……。

理解できず、彼の背中に胸を押し当てたままで聞き返すと、いつもとは違うボソボソした喋り方でこんな説明を返された。

「背中に伝わる胸の感触が……。
紗姫の裸を想像しちゃって、今、下半身がヤバイことになってる……」

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