モテ系同期と偽装恋愛!?
「いつもあんな感じなの?」
「うん、まあ、そうかな……」
「遼介でも照れたりするんだ。知らなかった」
桃ちゃんでも知らないことがあるのかと、意外に思ってその言葉を受け止めた。
私の前の遼介くんは、時々赤面したり、恥ずかしそうに目を逸らしたりするのだけれど。
ポッキーを食べながら、ふたりきりの時の彼の様子を話していたら、桃ちゃんが嬉しそうに目を細めてクスリと笑った。
「遼介が照れるのは、紗姫に恋しているからだよ。恋愛経験豊富なアイツでも、自分が好きな子と付き合うのは、もしかすると初めてなんじゃないかな」
「まさか……」
桃ちゃんの意見に一応疑問で返してみたが、考えてみると入社以来、彼から告白して誰かと付き合ったという噂を聞いたことがない。
それで、社内恋愛に関しては、桃ちゃんの言う通りなのかもしれないと思い直した。
でも、それ以前の学生時代まで遡ると、恋することのできない私じゃあるまいし、まさかそんなことはないだろうと思うけれど。
桃ちゃんのアイスコーヒーの缶は、とっくに空で、残り2本のポッキーを1本ずつ食べ終えると、私もミルクティーを飲み干した。
気づけば勝手に休憩に入ってから20分も経つ。
そろそろ仕事に戻らなければ色々とマズイので、席を立った。