モテ系同期と偽装恋愛!?

耳もとに彼の声が聞こえるほどに顔の距離が近いので、私の心臓はフル稼働中。

なおかつ周囲の視線を浴びていることに気づいているので、恥かしくて顔が熱かった。

勘違いしていたが、どうやら急ぎの用とは私と話し合うことだったみたい。

でもそれならば、桃ちゃんを含めた3人でランチしながらでもいい訳で……というより、桃ちゃんに加勢してもらいたい気持ちがあるので、遼介くんも一緒にパスタ屋に行こうと提案してみた。

すると桃ちゃんに、呆れたような目で見られてしまう。

「遼介はふたりきりになりたいんだって。
その理由は、ふたりじゃないと恥ずかしくてできないことが、早くしたくてたまらないから」

目を見開く私の耳に「そういうこと」と低く甘い声が忍び込み、体に回されていた腕が解かれて手を繋がれた。

その後は問答無用で引っ張られ、廊下に連れ出される。

怒っている……よね?

手が離され、半歩前をスタスタと歩く彼についていく私。

すれ違う人に明るく挨拶している彼は一見いつも通りだが、私の歩調に合わせてくれないことやスーツの背中に、苛立ちが感じられた。

連れて行かれた場所は、一階の社食を通り過ぎた廊下の奥にある備品保管庫。

周囲に人がいないことを確認した彼は、ドアを開けて先に私を押し込んでから、自分も入り素早くドアを閉めた。

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