モテ系同期と偽装恋愛!?
長いキスに息苦しさを感じ始めた時、舌が抜かれ、チュッとリップ音を立ててから、やっと唇が離された。
視界がぼやけない位置まで離れて見つめ合うと、恥ずかしさが込み上げ、赤面して目を泳がせてしまった。
一方遼介くんは、なぜか切なげに顔をしかめていて、大きな溜息までついてから、私を強く胸に抱きしめる。
「遼介くん……私、治ったみたいだよ。遼介くんのお陰で」
「うん、そうだね……」
「どうして喜んでくれないの……?」
昼前のメールをした時に不思議に思ったのは、私と一緒に成果を喜んでくれないことだ。
そして今も同じ。
怯えながら高飛車女を演じるしかできなかった私に、治そうよと言ってくれたのは彼なのに……。
怖がる私を励ましながら、根気強く練習に付き合ってくれたのも彼なのに……どうして苦しそうにするのだろう……。
遼介くんの気持ちが知りたかった。
顔を覗き込みたくて、体を少し離そうとしたら、逆に彼の腕に力が込められ、痛いほどに抱きしめられてしまった。
これでは耳と髪の毛しか見えなくて、気持ちを読み取ることができないのに。
ドアの向こうの廊下から、社食の賑わいが微かに伝わってきていた。
でも備品保管庫の中で聞こえるのは、彼の溜息だけ。
私の髪に潜り込む、小さくて重たい溜息が……。