モテ系同期と偽装恋愛!?
ファーストキスから一週間後。
15時半の大会議室に、私と桃ちゃんがいる。
この一週間、悶々と考え続けていることがあった。
桃ちゃんの仕事の愚痴に相槌を打ちつつ、今も頭の隅でどうしようと悩んでいたら、「次は紗姫の番」と言われた。
桃ちゃんの愚痴に付き合ったので、今度は私の愚痴を聞いてくれるというのだが……。
愚痴ではないのだけれどと前置きしてから、一週間前に備品保管庫で、遼介くんと話したことを相談した。
私を抱きたいと言った彼は苦しそうで、どうしたら惚れてくれるのかと、彼らしくない弱気な態度を見せていた。
その翌日からはいつもの明るい調子に戻り、あの話は全く話題に上らないけれど、笑顔の下では泣きたい気持ちでいるのではないかと勘繰ってしまう。
私は彼を苦しめているが、気持ちに応えることもできないので、どうすればいいかと悩んでいた。
話を聞いてくれた桃ちゃんは、フルーツグミを放り込んでモグモグと口を動かしながら、サラリと言う。
「遼介に処女をあげればいいじゃん」
「ええっ⁉︎」
まさかそんな適当なアドバイスをもらうと思っていなかったので、驚きのあまりに手の中の紅茶の缶を滑らせ、机の上に少量こぼしてしまった。
慌ててポケットティッシュで拭き取っている最中に、また紅茶の缶を倒してしまい、分かりやすくうろたえる私を見ている桃ちゃんは、フルーツグミを食べるだけ。
それから私を諭しにかかった。