モテ系同期と偽装恋愛!?
彼女の恋する気持ちに胸が痛んだ。
色々と計画していたことを、実現させたかったことだろう。
でも別れてしまった彼の誕生日を祝える立場にあるのは、長谷川さんではなく私。
その私が誕生日自体を知らなかったと聞かされたら……怒りたくなるのも分かる気がした。
長谷川さんに言い返してくれている桃ちゃんの肩に手を置いて、振り向いた彼女に首を横に振ってみせた。
桃ちゃんに一歩下がってもらい、今度は私が前に出て、長谷川さんと向かい合う。
「あなたの言う通り、私はひどい女でした。
ごめんなさい、嫌な気持ちにさせて……」
両手を前に揃えて頭を下げると、後ろで桃ちゃんが慌てる。
「ちょっと紗姫、なに謝ってるのよ!」
頭を上げると、長谷川さんも驚いた顔をしていた。
怒りをぶつけてきても、まさか私が謝るとは思わなかったようだ。
驚いたことで怒りのボルテージが下がった彼女は、ひと呼吸置いてから、声のトーンを落として聞く。
「私と違って横山さんは、遼介くんから告白されて付き合ったと噂で聞きました。
もしかして、好きじゃないのに付き合っているんですか?」
真面目に彼に恋している彼女には、真面目に答えたいと思うけれど、結局は黙り込んでしまった。
私たちの交際のキッカケと経過はもっと複雑で、上手く説明できそうにない。
それに、交際していると言ってもそれは所詮、偽物だから。