それは秘密です
六島君の衝撃の告白を聞いてしまったら、とてもじゃないけどそんな淡く甘い気分が持続するはずがない。

だって、知らぬ間に不可抗力で、私は六島君の恋のライバルになってしまっていたのだから。

何が悲しくて好きな人にとって、ジェラシーの対象にならなくちゃいかんのか。

いや、今の段階で六島君はまだその事実には気が付いていないし、彼がそんなネチネチした感情を抱くとは思いたくないけど。

とにかく客観的に見た時に、私はとんでもない立場に追いやられてしまっているということなのだ。




「………ってことなんだけど、どう思う?」
「いや、どう思うって…」


私の問いかけに、対面の席に座る杏ちゃんは、6分の1サイズに切り分けられたマルゲリータピザを右手に持ったまま、この上ない困惑顔で言葉を探していた。

土曜日、1日中悶々とした気持ちで過ごしたけれど、『このままではどうにかなってしまう!』と感情が爆発し、その勢いのまま、衝動的に彼女に電話をかけてしまった。

同期の女子の中で一番仲の良い、システム部所属の尾頭杏ちゃん。

つまり六島君のこともよ~く知っている。

というか、最初の頃は杏ちゃんも交えて三人で頻繁に飲み会をしていたのだ。

お昼も社食で待ち合わせたり、これは一度だけだったけれど、お弁当を持って会社近くの公園まで行って食べたりして。
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