それは秘密です
会社と公園を往復するだけで結構な時間消費してしまったし、「面倒だし落ち着かないし忙しないし、もう屋外でのランチはないな」と意見がまとまった。

なのでプチピクニックはそれっきり。

ただ、仕事終わりに、なるべく人の目を避けて落ち合う場所としては最適であると思った。

トイレもなく、本当にただ昼間ひなたぼっこをするくらいしか活用法のない公園にこの時間帯立ち寄る物好きはそうはいないと推測した。

また、この時期外はもう真っ暗で、外灯が設置されてはいるだろうけど公園敷地内を満遍なく煌々と照らすほどではないハズだと。

なので社内の人間が近くの歩道を通っても、人影くらいは察知できてもその正体までは識別できないだろうと判断した。

案の定、たどり着いたその目的地には人っ子一人いなかった。

それに車道を挟んだ向かいの、雑居ビルや商店が立ち並んでいる側の歩道の方が断然明るく視界もクリアなので、歩行者は皆そちらを選んで歩いていて、公園前は閑散としていた。

ますます密会がバレる確率は低くなり、私は胸を撫で下ろしながらあずまやまで歩を進め、設置されているベンチに、入り口が確認できる位置を探ってから腰かける。

しかし人がいないという事はそれを把握している不埒な輩に狙われる危険性もある訳で。

怪しい奴が近付いて来た時点で脱兎のごとく逃げられるよう、辺りをキョロキョロと見回しながら加東さんを待った。
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