それは秘密です
「あ、佐藤。明日がダメなら金曜日はどうだ?」
それまで天気の話をしていた六島君はそこで話題を変えた。
「飲み直そうって話してただろ?前に人事部の歓送迎会で使った洋風居酒屋覚えてるか?俺が初めて幹事やった時の」
「う、うん」
「成り行きでそこの店のメルマガ会員になったんだけど、昨日割引クーポンが送られて来てさ。ちょうど良い機会だし、たまには違う所に行ってみないか?」
「そ、そうなんだ」
そこで目指していた5階に到着した。
六島君が『開』ボタンを押してくれていたので、先に下りつつ返答する。
「でも、今回はやめとく」
「え?」
「だって、明日杏ちゃんとご飯だし。同じ週に何回も寄り道するのは…」
「違うだろ」
六島君も廊下に出ながらポツリと呟いた。
「そんなの口実だ。やっぱ、一緒には行ってくれないんだな」
そのあまりにも寂しげな表情と声音に思わず固まる。
「佐藤、あの夜以降、明らかに俺のこと避けてるもんな」
「え。そ、そんなことは…」
「あるだろ?下手な言い訳はいいから」
そこで六島君は目を伏せた。
「……俺があんなこと、言ったからだよな…」
「え…?」
「分かってるよ。キモいにも程があるよな。男に片思いをしている男だなんてさ」
「や、そ、それは」
「でも、佐藤なら受け入れてくれるような気がしてさ…」
それまで天気の話をしていた六島君はそこで話題を変えた。
「飲み直そうって話してただろ?前に人事部の歓送迎会で使った洋風居酒屋覚えてるか?俺が初めて幹事やった時の」
「う、うん」
「成り行きでそこの店のメルマガ会員になったんだけど、昨日割引クーポンが送られて来てさ。ちょうど良い機会だし、たまには違う所に行ってみないか?」
「そ、そうなんだ」
そこで目指していた5階に到着した。
六島君が『開』ボタンを押してくれていたので、先に下りつつ返答する。
「でも、今回はやめとく」
「え?」
「だって、明日杏ちゃんとご飯だし。同じ週に何回も寄り道するのは…」
「違うだろ」
六島君も廊下に出ながらポツリと呟いた。
「そんなの口実だ。やっぱ、一緒には行ってくれないんだな」
そのあまりにも寂しげな表情と声音に思わず固まる。
「佐藤、あの夜以降、明らかに俺のこと避けてるもんな」
「え。そ、そんなことは…」
「あるだろ?下手な言い訳はいいから」
そこで六島君は目を伏せた。
「……俺があんなこと、言ったからだよな…」
「え…?」
「分かってるよ。キモいにも程があるよな。男に片思いをしている男だなんてさ」
「や、そ、それは」
「でも、佐藤なら受け入れてくれるような気がしてさ…」