マシンガン LOVE ~この想い、あなたに届け!~
3.思いは育てねば
 ***

 私と彼の歴史、と言うと大げさだけれど。
 最初の出会いまでさかのぼると、それは二年前の大学生のころだ。


 大手商社である大井コーポレーションの最終選考まで奇跡的に残った私は、最後の面接を前にガチガチに緊張していた。
 最終まで残れただけでも御の字だと周りには言われたものの、ここまできたのなら受かりたい、という人並みの欲も出てくる。
 だけど、このビルに入った瞬間から、緊張で体中の震えが止まらなかった。

 早めに着いた私は、トイレにはもう何度も行った。
 お化粧や身だしなみのチェックもした。鏡の前で笑顔の練習も。

 控室に戻り、ブリーフケースから書類を取り出し、それを一心不乱に見つめた。
 この日のためにシミュレーションした想定問答だ。

 努力なくして成果なし。
 そう思い、必死に紙面の文字を追うけれど、まったく頭に入ってこない。
 これではただ見ているだけだ。まるで知らない言語を眺めているみたいに。

 完全にキャパオーバー。頭の中は大渋滞だった。
 それに、緊張で喉がカラカラに乾く。


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