幸せに・・・なりたい。

**恋人


茜が、出ていくと
綾が、待っていたように
入ってきて
私を抱き締めた。

みんな凄く心配していたんだ。
だから、茜は
「私が話してくれた事が
凄く嬉しかったと思うよ。」
って言ってくれた。

そして、
「自分が私の事を呼び捨てに
したり、抱き締めたりするのが嫌なら、
言って欲しい」
と。

私は、
「嫌じゃない」
と、答えた。

お父さん達の元に行こうとした時も、
「先生の顔がもう一度だけ
見たかった。」
と、いうと
「光栄だ。」
と、照れながら言ってくれた。

付き合う事も
「私は、今まで一度もないから
わからない」
と、言うと
「ゆっくり、始めていこうね」
と、言ってくれた。

私達は、この日から
恋人同士になった。

先生は、自分の事を
綾と呼ぶように言い

綾は、すぐに
崇おじさん、美沙おばちゃん
茜に報告した。

おじさん達は、酷くびっくりしていたが
綾が、ずっと私に献身的に
看護していたのも
見ているし
私を変えたのも
綾だと、わかっているから
賛成してくれた。

茜は、
「愛浬亜、良かったね。
綾君は、本当に愛浬亜の看護に
一生懸命だったよ。
それは、あの意識がなかったときから
変わらずに。
愛浬亜、幸せになるんだよ。

綾君。
愛浬亜は、私のかけがえのない
親友なの。
だから、泣かせないでね
そして、思いっきり幸せにしてあげて。」
と、言った。

「ああ、茜ちゃん、
約束するよ。
愛浬亜を幸せにする。
じゃないと、僕も
幸せになれないからね。」
と、言ってくれた。

崇おじさん、美沙おばちゃん
茜は、とても喜んでくれて

私は、涙が止まらなかった。
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