それでも僕らは恋と呼ぶ。

 彼女は同じクラスで、髪がいわゆるセミロングで、ふわふわした感じの女。

 はたから甘やかされて育ったような女だった。

 そんな彼女と付き合ったのは、断る理由がなかったからだろう。

 顔もそこそこ可愛いし、性格もいいと言われていたし、別に嫌いな要素も特別なかった。

 まぁ、好きな要素も別になかったのだけれど。


 そんなこんなで付き合ったものだから、あっちからよく、本当に好きなの?と問いかけられることがあった。

 オレとしては、好きじゃないと付き合っちゃダメなの?とか思ったけれど、いえば戦争確定だというのはオレにも分かっていた。

 今思えば、オレが悪かったんだろう。

 好きじゃないでしょ?としつこく詰め寄られ、オレはとうとうそうだと言ってしまった。

 そんなこんなで、最近女子からの視線が痛い。

 スクールカーストがそこそこ上の女子を適当な扱いすると怖いんだと、オレはこのとき学んだ。


「好き、か・・・」

 思わず口に出したけれど、そんなこと分からない。

 なんか特別な感情をあいつに抱いていただろうか。

 優しくしたいとか、どうかしてやりたいだとか。


 そんなんだったら、佐野のほうがよっぽど・・・。


 そこまで考えて、オレはハっとした。

 今、オレは何を考えた?

 佐野のほうがよっぽど、なんだ。

 よっぽど、どうかしてやりたいって・・・思ったのか?
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