それでも僕らは恋と呼ぶ。

「ただいま」

「おかえり」

 玄関では昨日と同様に姉が立っていた。

「なんでまた玄関でオレを待ってんの」

「勘違いしないでよ。ちょうど今からコンビニに行こうと思ってたのよ」

「車で行くのか?」

「いや、さっきチューハイ飲んじゃったから歩きで行くわ。そんな遠くでもないし」

「暗いからついていこうか?」

「えぇ?!」

 姉が少しのけぞる。

 そしてその姿勢で少し固まったあと、オレの顔をぐいっとのぞき込んできた。

 顔の近さに、次はオレのほうが姉との距離をとった。


「なんなの」

「いや、あんたがそんなこと言い出すなんて珍しいからどうしたものかと思って」

「失礼な女だな」

「まぁ、珍しい好意に甘えようかな」

 本当に失礼だと口でいいながら、けっきょくオレは姉の心配をして一緒にコンビニについていく。

 自分の行動に自分で意外だと思う。

 なんとなく口から自然と出てしまった感じがある。

 あのとき、佐野を呼び止めたのと同じ感覚だ。

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