Last Letter~手紙がくれた想い~
そのあと、俺は重い瞼を必死で開け授業を受けていた。
けど、授業の内容は右から左へ流れていく。
だって、それどころじゃなかったんだ。
さっきまで見ていた夢のことが気になって仕方なかった。
俺が見た夢に出てきたんだ、あの子が。
病院の3階の真ん中の部屋に入院している、あの子が。
ストレートの長い黒髪の、あの子が。
印象的な髪の毛を見て、俺は気づいた。
あぁ、この子は病室の子か。って。
どうして夢に出てきたんだろう…
名前も知らないあの子。
夢の中の俺は、なぜかあの子の病室にいた。
そしてあの子と楽しそうに喋っているんだ。
自分でも意味が分からなかった。
どうしてあんな夢を見たのか。
一瞬、そう言っていいほどしか見ていないあの子。
なんでなんだよ…
なんで、あの子が俺の夢の中に出てくるんだ。
「おい?大樹??
お前、大丈夫か?」
「あっどうした?」
我に返った俺。
少し、ぼーっとしすぎたみたいだ。