Last Letter~手紙がくれた想い~





「じゃ~な!」

弘斗と別れて俺は家へ自転車をこぐ。


『きむらー!!

途中まで一緒に帰ろ!』

後ろから声をかけられる。



「んだよ、村瀬。」

村瀬…村瀬 香織(ムラセ カオリ)

高校3年間、ずっと同じクラスの女子。
多分、俺と1番親しい女子だ。


『あんたはいつもそうやって無愛想なんだから。』

村瀬は俺の隣に並んで自転車をこぐ。


「うるせーよ、お前。」

俺はそれだけ言ってこぐスピードを速くする。



『そんなんだから女の子があんたのこと、怖がってるのよ?』

村瀬はそれでも必死で俺についてくる。


なんなんだ、コイツは。


「別にお前に関係ないだろ。

じゃ、俺ここだから」

ちょうど、家に着いた。


ナイスタイミングだ。


『じゃあまた明日ね!』

村瀬は手を振って颯爽と自転車をこいでいった。


アイツはいつも意味が分からないんだ。





< 23 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop