Last Letter~手紙がくれた想い~
「じゃ~な!」
弘斗と別れて俺は家へ自転車をこぐ。
『きむらー!!
途中まで一緒に帰ろ!』
後ろから声をかけられる。
「んだよ、村瀬。」
村瀬…村瀬 香織(ムラセ カオリ)
高校3年間、ずっと同じクラスの女子。
多分、俺と1番親しい女子だ。
『あんたはいつもそうやって無愛想なんだから。』
村瀬は俺の隣に並んで自転車をこぐ。
「うるせーよ、お前。」
俺はそれだけ言ってこぐスピードを速くする。
『そんなんだから女の子があんたのこと、怖がってるのよ?』
村瀬はそれでも必死で俺についてくる。
なんなんだ、コイツは。
「別にお前に関係ないだろ。
じゃ、俺ここだから」
ちょうど、家に着いた。
ナイスタイミングだ。
『じゃあまた明日ね!』
村瀬は手を振って颯爽と自転車をこいでいった。
アイツはいつも意味が分からないんだ。