太陽と月の後継者
『みんな、夕食できたよ』

「やったー!!!早く食べよっ」

レイが待ちくたびれたように発したその言葉を待っていたかのようにクロエの目はきらりと輝く。

『の前に、手を洗ってきてね。
洗面所はそこだから』

忘れてた

というように目を大きく開けると急いで洗面所へ向かうリオ、その後に続くヨウテスとレイ。

「今のうちに運ぼうぜ」

ルカは、そう言うと食べ物の入ったお皿をテーブルへ持っていく。

『うん、ありがとう。』

最後のビーフシチューの入った食器を運ぶと、クロエはルカに質問をする。

『あの時…』

「あの時…?」

なんの意味かわかったかのような口ぶりで質問を返す。

『訓練室でレイと戦っていた時、
どうやって時間を…?』

「…魔法だよ」

魔法

それ以外の何があるのか?

時間の操作が出来れば、
過去に戻れるかもしれない。

なにかわかるかもしれない。

クロエは必死だった。

『はぐらかさないで』

しばらく沈黙が流れた後、
ルカは口を開いた。

「…フェリーチェはピンクに光った」

『フェリーチェ…?』

「それがヒント。
これ以上は言えない。」

有無を言わせぬようにルカは、食事に手をつける。

「あー!ルカずるいっ」

ちょうどその時、リオ達が戻ってきた。

「美味しそうだな」

「よしっ、俺らも食うか!」

口々にものを言うと、
一斉に食べ始める。

クロエは、先程のことがあってか元気がない。

『(急に親切にしたり冷たくなったり…彼のことがよくわからない。)』

周りに悟られまいと、気丈に振る舞った。

『今度会うときは魔法大会の時だね。
絶対負けないよっ』

「「「「こちらこそ」」」」

五人で顔を見合わせ笑う。

『手加減しないよ?』

「したらブチノメス」

リオから想像もできないほど
低い声が発せられる。

顔には黒い笑みを浮かべていた。

これにはクロエとルカも驚いた。

「まぁまぁ、リオちゃんこわーい。」

わざとらしくレイが言う。リオは結構腹黒い。

「ま、俺も手加減なんかしねーよ。
本気でやるのが相手への誠意だからな!」

(誠意…か)

月が高く登り、人々が眠りに落ちる頃。

少年少女達は、それぞれの思いを胸にクロエの部屋を静かに出ていった。

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