太陽と月の後継者
第五闘技場を出て、学園の中庭らしきところに来る。
今は試合中なので誰もいない。
「私、お兄様がいるのだけど。そのお兄様が誰かに操られているの…」
『えっ!?』
(ビアンカは六大貴族。ということはそのお兄さんは悪魔族の次期族長ということになる。
そんなお兄さんが操られるということは…)
「相当な使い手が裏にいる。」
クロエは唾を飲んだ。六大貴族以上に強いと言えば、上級魔法使いの上のものか五大魔法使い、あるいは…
『国王や神官。』
「そうなるわね。
上級魔法使いは身分的に下だから手を出すことがない筈よ。」
ビアンカは平気そうに見えて、
実際は苦しい思いをしているはずだ。
『ビアンカ…。私、上級魔法使いになるわ。』
「上級魔法使いは、六大貴族よりも下なのよ?」
『わかってる。
だから、上級魔法使いになって…』
クロエは意を決し、
瞳に強い光を宿らせた。
『五大魔法使いになる。そしてビアンカのお兄さんを助けるわ。』
「クレア…」
ビアンカの綺麗な瞳がゆらりと揺れる。
五大魔法使いになるには、上級魔法使いでNo.5にならなければならない。
相当な努力が必要だ。
ビアンカはついには泣き出してしまった。