太陽と月の後継者

一方、キルはというと自室で赤い果実を使った飲み物をごくごくと飲んでいた。

「くっそ!後少しでビアンカに手が出せると思ったのに…。」

吸血鬼は、
自分の印を付けたものを操ることが出来る。

ビアンカを操り、クロエに手を出そうとしていたのだ。

「ま、でも…六大貴族の血は混じり気が多そうだったし…。」

キルは、そんなことをブツブツと呟きながら、
ベットへ寝転び天井を見上げた。

「リオ どうしよっか…。」

先程の出来事を思い出して、

くしゃくしゃとダークブラウンの髪を掻き乱す。

「…そーだ。いいこと思いついた。」

そう言うと、満足そうに笑ってすやすやと眠った。

吸血鬼は夜行性

それは確かだが、
昼間でも充分動けるため、
今は昼夜逆転している。

キルはいったい、
どうしてクロエを追っているのか…。

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