幻が視る固定未来
「木下、見たはずです。あれは手品などではない。はっきりと幻視様から生み出されたもの。自分の目は否定できないはずです」
また標的をオレから有希乃に変えた。
ならどうする? 逃げるしかないのか。また逃げるのか。それこそ助歌の思うつぼ。だから何か言わないと、否定しないといけない。
けど言葉に出来ない。うまく否定できない。けど言うしかない。
「違うぞ、有希乃。助歌の言ってることは間違っている」
「幻視様、あなたは一体何を否定しているのか分かっているのですか」
「……」
一言に「助歌の言葉」とは言えなかった。あの助歌の言葉に対して否定が出来ない。
オレが今、否定しているのは助歌の言葉ではない。幻視という玄武の能力。それは即ち玄武の否定でありオレ自身の否定。
今まで否定していたのは有希乃にこのことをなかったことにするため。そしてここで否定できなくなったのは玄武がオレの全てであり未来であるから。
ここで否定しないと未来に有希乃はいない。
ここで否定すると未来に玄武はいない。
本当にそうだろうか?
たった一言で人生など変わってしまうだろうか?
大袈裟な考えではないだろうか?
いや、それほど一大事なんだ。たったの一言が大事なんだ。
――けどやはり、玄武ではないオレなどあり得ない。それはすでにオレではない別者。
あとはもう他人任せ。有希乃が助歌の言葉を信用しないということを願うしかない。
また標的をオレから有希乃に変えた。
ならどうする? 逃げるしかないのか。また逃げるのか。それこそ助歌の思うつぼ。だから何か言わないと、否定しないといけない。
けど言葉に出来ない。うまく否定できない。けど言うしかない。
「違うぞ、有希乃。助歌の言ってることは間違っている」
「幻視様、あなたは一体何を否定しているのか分かっているのですか」
「……」
一言に「助歌の言葉」とは言えなかった。あの助歌の言葉に対して否定が出来ない。
オレが今、否定しているのは助歌の言葉ではない。幻視という玄武の能力。それは即ち玄武の否定でありオレ自身の否定。
今まで否定していたのは有希乃にこのことをなかったことにするため。そしてここで否定できなくなったのは玄武がオレの全てであり未来であるから。
ここで否定しないと未来に有希乃はいない。
ここで否定すると未来に玄武はいない。
本当にそうだろうか?
たった一言で人生など変わってしまうだろうか?
大袈裟な考えではないだろうか?
いや、それほど一大事なんだ。たったの一言が大事なんだ。
――けどやはり、玄武ではないオレなどあり得ない。それはすでにオレではない別者。
あとはもう他人任せ。有希乃が助歌の言葉を信用しないということを願うしかない。