恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~


「お前がいらないなら、俺がこれをどうしようと勝手だろう」


そう言いながら、パネルまで自分の足元へ。


「……これは寝室だな」


ぼそりと言う声が聞こえてしまった。


「持って帰らないでくださいね?」

「どうして」


どうしてって。やっぱり、自宅へ持っていくつもりだったんだ。


「別に変なことには使いやしないさ」

「へ、変なことって……」

「お前がいないときにこのポスターで自分を慰めたりは」

「やめなさい! ここは会社です!」


デスクをバンと叩くと、一成はにやりと笑う。


「冗談だ。誰が来るかわからないんだから、堂々と飾ったりしない。自宅で保管するだけだ」

「それならいいですけど」


はあ、すっかりからかわれちゃったみたい。

職場では見事なまでに無愛想だから、こんなふうにからかわれることを予測もしなかった。

そういえば、もう終業時間過ぎてたっけ。


「そうだ。今度の週末、暇か?」

「え? ええ、暇ですけど」

「じゃあ、空けておいて。一緒に行ってほしいところがある」


ほわっと心が宙に浮く。これって、デートのお誘い?


「どこへ行くんですか?」

「それは当日に言う。お疲れ」


そう言ったきり、一成はパソコンの画面を見たまま。それ以上は教えてもらえそうにない。

彼の顔がいつもの無表情より少し暗く見えるのが気になるけど、仕事で疲れているのかも。

私は一礼し、部屋から出た。


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