恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~


三十分ほど車を走らせてたどり着いたのは、大きな総合病院だった。

茶色の建物を見上げる。九階くらいはありそう。


「今日は休みだから」


そう言い、一成は私を救急患者の入口で手招きした。

土日は外来が休みでやっていないため、中央の入口が閉まっているらしい。

エレベーターに乗り込み、八階で降りると、クスリなのか消毒なのか、独特のにおいのする病棟に足を踏み入れた。


「こんにちは」


休日だからか、ナースステーションもなんとなく静かな気がする。

一成の挨拶を聞き、看護師さんたちがこちらに軽く頭を下げた。


「あっ日下さん。すみません、お休みの日に」


病棟の奥の方へ歩いていくと、キャスター付きの台にノートパソコンを乗せた看護師さんがこちらへ向かってきた。どうやら、この人が一成に電話をかけてきた人らしい。


「お世話になってます。父の具合は」

「どうも、気持ちが落ち着かないみたいです。昨夜も深夜に大きな声を出してしまったり、今日も少し錯乱されることがあって……薬を打ったり内服してもらったりはしているんですが、やはりご家族が傍にいられるときが一番落ち着かれるようで」

「そうですか。ご迷惑おかけします」


< 171 / 286 >

この作品をシェア

pagetop