恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~


「そんなこと言わないで」


初めは一晩だけの関係でかまわなかった。

CMに出たのだって半ば強引にそう決められてしまったから。

だけど、あれがなければ、私は一成と恋をすることができなかった。

誰かに恋をして、苦しくなったり嬉しくなったり、こんなに感情が揺さぶられるものだって知ることもなかった。


「私は、一成が魔法をかけてくれたと思っているの」


何も楽しいことがない、平たんでつまらない、先の見えない毎日から、あなたが私を救ってくれたの。


震える手で、彼のきちんと結ばれたネクタイを掴む。

それをぐいと引き、彼の唇に自分の唇を押し付けた。

お願いだから、私を選んだことを後悔なんてしないで。そんな悲しいことを口にしないで。


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