恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
「よし、行こう」
せっかくここまで来たなら、社長のところに一瞬だけ顔を出してこよう。
一成も副社長も何も言ってなかったし、きっとまだあの特別室に入院中だよね。
慣れた足取りで社長のいる病棟へ向かう。
部屋の番号が書かれている札をスライドさせると、社長のイニシャルが変わらずについていた。
「あのう、ナースステーションで受付されましたか?」
ノックをしようとした瞬間、怪訝そうな顔の看護師さんに声をかけられた。
この前部屋にいた看護師さんとは別の人だ。
「このお部屋の患者様は、ご家族以外の面会はお断りさせていただいております」
じっと私をにらむように見る看護師さんの言葉に、胸の中がざわついた。
もしや、あの記事のせいで、社長の病気を知らなかった人たちや記者が、わんさかと詰めかけてしまったのかも……。
「私、社員の白鳥といいます」
営業部の時の名刺を差し出すと、看護師さんはそれを持って部屋の中に入っていく。
すぐに出てきた彼女は、申し訳なさそうに頭を下げた。