恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~


一成に手を引かれて狭い機内に乗り込む。

すると、すぐにパイロットらしき人がエンジンをかけたみたい。

気体が揺れ、頭上で羽根が動き出す音がばたばたと聞こえた。

どきどきしていると、ふっと体が地上から浮いた感覚がした。


「わあ~!」


空中で気体が安定し、空を飛び始める。

もちろん、ヘリに乗るなんて初めての私は、おそるおそる下を見て、興奮してしまった。

いつも歩いているゴミゴミした街が、まるで宝石箱みたいに輝いている。


「私、男の人と夜景を見るの初めてです」

「喜んでもらえたようで良かった。このあと、もっと喜んでもらえるといいんだが」

「そういえば。目的地はどこですか?」


尋ねるけど、一成は薄く微笑むだけ。

どうやら、到着するまで教えてくれる気はないようだ。

エンジンや羽根の音も結構するし、あきらめて夜景を楽しむことにしよう。

そうして下を見ているうち、夜の闇が深くなってきた。

夜景の光はぽつぽつと小さく、少なくなっていく。

一時間ほどしたころには、ほとんど真っ暗になってしまった。


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