恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~


ぼそりという日下部長の言葉に、箸がすべってしまった。

ホタテがぼとりと、小皿の上に音を立てて落ちる。


「ど、どうして」


こんなに完璧に見える部長が、ふられるですって?

思わず聞き返した私に、日下部長は苦笑で返した。


「すまん。つまらない話だ。忘れてくれ」


話したくないということか。

もしや、見た目ではわからないような欠点があるのかも。

モテるから浮気してばれたとか? 美少女アニメのフィギュアを集める趣味があるとか?

色々な妄想をしながら、それ以上は聞けずにもくもくと料理を口に運ぶ。

和牛のにぎりなんていう、テレビでしか見たことのないものを頬張ると、鼻から「ふぅん~」と、変な空気が抜けていった。なにコレ、口の中の温度で油がとろける~。


「お前は、どうしてうちの会社に?」

「はふぁん?」


ちょっと待ってね。現実に戻るから。

お茶を飲んでから、返事をする。


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