恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
「憧れてたんです。ずーっと地味な人生を送ってきたから、華やかな化粧品の会社に。メイクすることは好きだし」
大学生になってから、雑誌を見てメイクの研究をした。
自分の何の特徴もない地味な顔でも、メイクの仕方で色々な表情を作れるのだということを知り、少し人生が明るくなったような気がした。
気がしただけだったけど。
「だから、今日みたいな会社説明会に参加したんです。そのとき話をしていた営業部の女性社員さんが、すごくかっこよくて」
結局その人は、私が入社した年に寿退社してしまったのだけど。
「専門知識がないから開発とか研究職は無理だけど、営業、やりたいなって」
メイクで顔を変えられるように、自分も営業部で頑張れば、社交的で明るく、強い人間になれるような気がして。
「それなのに、どうして人事部に?」
肉を焼き始め、昇った煙が頭上の装置に吸い込まれていく。
私は焼けたタンを取り、お皿に乗せた。