恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~


「どういうことですか、部長」


さっとこちらに近寄ってきたのは、説明会で助けてくれた、後輩の田村くん。


「僕だってわからないよ。今朝来たらいきなり上からの命令でこうなっていたんだ。いったいどうやって日下部長に取り入ったのかな? ん?」


うわあ、露骨な言い方。人事部長の黄色く濁った目は、よく見ると全然笑っていない。

日下部長に取り入るって……まさか、あの人、日下一族の権限を使って、私を営業部に無理やり異動させるように命令したの?

頭痛とめまいが同時に襲ってきた。

いやらしい言い方をされても仕方ない。私は自分から日下部長を誘って寝て、結果気に入られたんだから。


「そんな言い方ないです」


田村くんが部長に抗議する。


「いいの、気にしないから」


段ボールを受け取りながら、田村くんを止める。

彼はこれからもこの部署にいなきゃいけないんだから、部長ににらまれない方がいいに決まってる。


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