恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
「急すぎますよ。いったい何があったんですか」
自分のデスクに戻って段ボールを組み立てる私を、田村くんが追いかけてくる。
「さあ、私にもさっぱり。説明会を一生懸命やったから、気に入られたのかな。きっとここと同じように、雑多な仕事をやらされるんだよ」
「でも、白鳥先輩がいなくなったら人事部が困ります。人一倍働いていたのは、先輩だったのに」
田村くんは周りの目もはばからず、抗議する。
「ありがとう……」
同じ部署でそんなふうに思ってくれてたの、きっと田村くんだけだよ。
彼を見上げると、まるで泣きそうな顔をしていた。
それを見ると、これからたくさんの仕事を私の代わりに押し付けられるであろう彼のことがとても心配になる。
けれど、この会社で日下一族に逆らってはいけない。
わけのわからない異動命令だけど、一度は従わなくちゃ。
どうせ断ったって、ここに居場所はないんだから。