恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
「一回行ってみる。嫌だったら辞めるよ」
さっさとデスクの中の文房具類を箱につめ、昨日預かっていた選考書類を田村くんに渡した。
「そんな。辞める前に、辛かったら相談してくださいね」
「ありがとう」
この子、ひとつ年下で頼りないような気がしていたけど、本当はとてもいい子だったんだなあ。
優しい言葉にじいんとしながら、さほど重くない段ボールを両手で抱えた。
「どうも、お世話になりました」
ドアのところで頭を下げると、田村くんだけが悲しそうな顔をしてくれた。
あとのおっさんたちは、こちらを見ることもしなかった。
やってくれたな、日下部長め。
いったい私をどうするつもりなのよ。
段ボールから溢れるほどの不安を抱えたまま、私はふらふらと営業部へと向かった。