恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~


は……事務?

日下部長は、私を手招きする。

営業部の一角にすりガラスで仕切られた個室が一つ。

どうやら、そこが日下部長ゾーンらしい。

すごいな。人事部の部長なんか、普通の机だけだったのに。


「お前は今日からここで、営業事務をしてもらう」


日下部長は私の手から段ボールを奪うと、大きなデスクの横についている普通のデスクの上に置いた。向かい側にはもうひとつ事務机があり、若い男の人が座っている。

たぶん大きくて重厚感がある方が部長用だろう。


「営業事務?」

「俺のアシスタントみたいなものだ。お客様からの電話応対、商品の受発注や伝票や請求書、プレゼン資料作成などなど……」

「ちょ、ちょっと待って」


営業事務なんてやったことないし。

ほとんどのことがパソコンでできるようになったとはいえ、電話応対はどうする。

聞いたことのない取引先や商品名がいきなり聞きとれるだろうか?


「心配するな。一通りのことはそこにいる桑名に聞け」

「よろしく」


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