恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
私の机の向かいに座っている桑名さんは、一瞬だけ顔を上げて笑顔で挨拶してくれたけど、すぐにキーボードを叩き始める。
ひとつかふたつ年上かな。桑名さんは茶色い髪にパーマをあて、カジュアルなシャツを着ていた。
どうやら、お客様の前に出ることはなく、ひたすら事務をしているみたい。でなければ、こんな大きくて丸いオシャレメガネはかけないだろう。
「こいつは、海外のお客様や取引先とのやりとりが主な仕事。最近特にそっちが忙しくて、国内の方まで手が行き届かなくなってきた」
「だからって、私にできますかね……」
全然自信ない……。
しかも、桑名さんも私に手とり足とり教えている暇はなさそうだし。
「できるかどうかじゃない。やるかやらないかだ」
そりゃあ、そうでしょうけど。
とりあえず段ボールの中身を片付けている間に、日下部長はパソコンの営業システムに入るパスワードをメモして渡してくる。