恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
「ちょっと待ってください」
背後でドアが開く音とともに、誰かが抗議の声を上げた。
振り返ると、それは珍しく余裕のない顔をしている知美だった。
大きなバッグを持っている。どうやら、午前中の営業から帰ってきたところみたい。
「CM広告の話って、例のうちと販促部が合同でやるっていう、あの新製品の」
「その通りだ。お前の案が採用された。喜ばしいことだ」
お前の案ってことは……社員をモデルにするという企画自体は、知美が出したものだったの?
「社員をモデルに使うというのが私の案でしたが、それはいったい誰に決まったんです?」
知美は私をスルーして、部長を至近距離で見上げる。
部長はすっと後ろに下がり、私の肩をぽんと叩いた。
「白鳥だ」
「ま……っ」
よくわからない声を上げ、知美は絶句した。
周りの社員も、目を丸くしている。
「どうして? こんな……普通の子を? これじゃ、視聴者の印象に残らない」