ひなた と ひかり
準備を終えた私はひとりでとぼとぼと学校へ向かった。
中学の頃から、ひかりと理央と3人で学校に行っていたから1人で行くのは久しぶり。
1人の方が正直落ち着く。
ひかりといるとなんだか気を使ってしまうから。
道のわきにはたくさん咲きかけた桜。
息をいっぱい吸えば、春の香りがする。
近いから、そんな理由で選んだ学校。
幼いころから変わらない景色。
「ついた」
約2週間ぶりに見る学校も何も変わらない。
強いていうなら、クラス表の貼ってある玄関先にだけ人だかりが出来ていた。
新学期は嫌いだ。人が多いのは苦手。
けれども、クラス表を見ないというわけにも行かず、近づくことにした。