ひなた と ひかり
155cmと平均より少し低めの私の身長では、見るのは困難だった。
もう、見た人はやくどけてよ!!
諦めて人が減るのを待とうと人だかりから離れた時。
「よー!木戸!!久しぶり!!髪切ったんだ!!」
不意に肩を叩かれ、そちらをみると、見覚えのない男子。
私のことを知った様子で話しかけてきているところから見ると、どうやらひかりの知り合いのようだ。
「私、ひかりじゃないですよ。妹のひなたです」
相手は目を真ん丸にさせて驚いた。
そして顔を近づけ、まじまじとみてくる。
びっくりした私は思わず仰け反った。
「え、そっくりじゃん!!でもたしかにちょっと違うな。双子とか?」
こくり、と頷くとなるほどなっという表情をした。
「俺、矢野朝陽(ヤノ アサヒ)って、木戸ひかりと去年同じクラスだだたんだ。よろしくな」
にかっと眩しい笑顔を私に向ける彼。
あさひ、という名前がぴったりだと思う。