手に入れる女

圭太は、自分の隣りの席に優香を促しながら、皆に彼女を紹介した。

「こちらが、小泉優香さん」

美智子は楽しそうな表情を圭太に向けた。

「小泉さんのことは、パパも私も知ってるのよ」
「え?!」

圭太は優香の方を振り返った。優香もにっこり笑う。

「そうなの。私もびっくりよ。あなたのご両親が佐藤さんと美智子さんなんて」

圭太はまだびっくりした様子であった。

「何で知ってるの?」

優香はゆっくり説明した。

「佐藤さんが職場の近くで私のケータイを拾ってくれて、まあその縁で」
「へー?」

圭太は不思議な顔をしながらも相づちをうった。

隣りでしばらくの間静かに話を聞いていた佐藤だったが、顔を上げるとにこやかな笑顔を見せた。
まるで、しばらくぶりに再開したような知人に話すような口ぶりで懐かしそうな声をあげた。

「びっくりしましたよ、小泉さん。まさか圭太の婚約者なんてね。まあ、とりあえず、席に座って乾杯しましょう」



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