手に入れる女
お茶を入れながら、美智子が話しかけてくる。
「圭太のお相手が優香さんだったなんてねぇ、世間て本当に狭いわね」
「あ、ああ、ごめん、ぼんやりしてた。何?」
「だから、圭太の相手。優香さん」
「うん。……いいんじゃないか?」
適当に受け流していたが、美智子は今日の感想を言いたくてウズウズしているようだ。
佐藤の隣りに座って、佐藤にもたれかかるようにして話を続けた。
「あたしね、結婚なんてまだ圭太には早いと思ったけど……優香さんだったら、しっかりした社会人だし、なんといっても弁護士なわけだし、まあ、いいかな、って思ったんだけど、のりさんはどう思った?」
佐藤の方をみる美智子の顔はすっかり母親の顔だった。
「オレは、圭太がいいなら別に何も言う事はないさ。圭太の結婚なんだし」
佐藤は息子に理解を示す寛大な父親を演じていた。
実際、二人が愛し合っているというならば結婚に反対する理由は何もない。
ただ一つ、佐藤の気持ちを除いては。