その男、猛獣につき
「晩御飯の相手、敦也じゃなくて俺になるけど、パスタ食べに行くか?」
「はい、喜んで!!!」
先生の提案に私はすぐさま頷いた。
「美味しいもの食べれれば、相手は誰でもいいってことか」
先生は小さく呟いて苦笑いを浮かべる。
敦也さんとじゃなくて、先生と晩ごはんに
行けることが嬉しいから喜んだのに……。
先生は、あくまで私を実習生としか見てくれていない気がする。
まぁ、それが当たり前のことなのだけど。
日に日に気持ちが大きくなっている私には、そのことが少しだけ歯がゆく感じていた。
★☆★
「本当、美味しかったです。ごちそうさまでした」
帰りの車の中で私は先生にお礼をいう。
先生も、
「あぁ、あのソースが絶品だった」
なんて満足そうな表情を見せてくれている。