その男、猛獣につき
「じゃあ、明日はこの部分、しっかりまとめてきて」
「はい」
絶対に怒られると思っていたレポートのフィードバックは意外な程あっさりと終わってしまう。
先生も、フィードバックに徹するといった感じで、淡々としている。
症例の話以外、余計な話はしないぞ、と雰囲気からビシビシと伝わってくる。
昨日まで、先生の柔らかな部分に触れていた気がしていたせいか、私を寄せ付けない雰囲気にまた昨日の告白の後悔が強くなっていく。
落ち込んだ気分を見せないよう俯きながら、私も淡々と興梠先生から返却してもらったレポートを順番に並べる。
その横で、先生はそそくさと帰る準備を始める。