その男、猛獣につき
火曜日に返却されてきたレポートの表紙の裏には大きめのポストイットが貼ってあった。

 

先生の活字のように整えられた端正な文字。

 

――服は、今度の土曜に――

 

なかなか捨てられず、結局自分のノートパソコンにくっつけたポストイットが、ふと目に入る。

 

「実習に向き合うしかないのは分かっているんですけど…」

「主税とも向き合いたい、と」

私は思わず頷く。

「実習終わっちゃったら、先生とも本当に接点がなくなっちゃうし」

「主税がその気があったら、実習終わってから舞花ちゃんのことを追いかけると思うよ。」

 

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