その男、猛獣につき
「ん?レポートしていたのか?」
ちゃぶ台の上に置いていたデスクトップが表示されたパソコンを先生が指差した。
「今、始めようと思ったばっかりで。」
「いいから。」
実習時間以外、関わらないようにするって言ったのは先生なのに。
でも、実習のレポートのことだから関わってくれるのかな?
紙袋を渡したら、すぐに先生は帰ると思っていたのに、先生は履いていた靴を脱ぐとADL室に入ってきた。
小さなちゃぶ台に置かれたパソコンを肩が触れ合う程の距離で隣同士に座り、レポートのファイルを開く。
あまりに距離が近すぎて、先生の匂いがする。
この間、先生の部屋でシャワーを借りた時のボディーソープの匂い。
一気に鼓動がスピードを上げたのが自分でもわかる。