その男、猛獣につき
「でも、本格的に台風が直撃する前に帰った方がいいんじゃ…」

「有田は、俺にどうして欲しいの?」

 

私の言葉を遮るように、先生は挑戦的な目で私を見つめ、口角をあげてニヤリと微笑む。

いたずらな笑顔に私は、どぎまぎしてしまう。

 

帰ってほしくない。

台風だとか、そんなの関係無く、先生に傍にいて欲しい。

 

言わなくても、私の気持ち知っている先生は分かっているくせに。

 

それでも、実習以外関わらないといった先生が頭をよぎる。

こんなことされたら、先生への気持ちは、忘れるどころかますます大きくなっていくことなんて分かっているのに。

 

それでも、先生に帰ってほしいなんて言えなくて、すがるような思いで見つめ返してしまう。

 

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