その男、猛獣につき
「有田!!」
洗濯ものを干すのも残り数枚になった頃、秋晴れの気持ち良い屋上に興梠先生の声がする。
「噂をすれば…」
「じゃあ、あとは若いお二人で」
竹内さんと嶋本さんはニヤニヤとしながら、急いで残りの作業を終えると屋上を後にする。
そんな2人の背中を眺めながら、急に二人きりになってしまったせいで私の鼓動は急に加速していく。
「有田、明日のバスケはどうするんだ?」
「行きたいところですけど、明日は発表用の資料を準備しなくちゃいけなくて…。レポートもあと少し残っていますし…」
残り2週間となった実習の資料をまとめないといけないのは、本当のこと。決して嘘なんかじゃないのだけど。