その男、猛獣につき


これまでだって、どうしても車椅子バスケに行きたくて、毎週土曜の夜はほぼ徹夜でパソコンに向かっていた。

 

それなのに、先生に昨日あんなこと言われたら、これまで以上に意識せずにはいられない。

 

だから、ついやんわりと口から出たのは、御断りの言葉だったはずなのに…。

 

「そっか。…それなら、今夜死ぬ気で終わらせろ。明日14時に迎えにくるから」

 

有無を言わせない先生の言葉。

 

「せ、先生!?だから、レポートが…」

「早くしないと、ミーティング始まるぞ!!」

 

言いかけた言葉を先生は遮ると、私を置いて屋上を後にする。

 

私はその後ろを洗濯かごを持ち、先生の背中を追いかけた。

 

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