その男、猛獣につき
★☆★
ガシャーン!!
ガン、ガン、ガシャーーーン!!!
金属音同士がぶつかり合い、けたたましく音が響く。
キュッ、キキィーーッッ。
ダンダンダン…ダンダン……
まるでF1を思わせるターンのタイヤが摩擦する高音に、それからドリブルのボール音。
様々な音が体育館中に響き渡っている。
目の前で、肩から上腕にかけて鍛え上げられた逞しい筋肉をつけた何人もの男の人たちが、車いすに乗ってバスケットボールをしている。
普通のバスケットボールとは、同じようでいて全く異なるもの。
まるでコートの中は、一種の格闘技のようにも思える。
私はその、もの凄いスピード感に圧倒される。
「かっ、かっこいいです‼」
感動すら覚えて、コートサイドでみていた私は思わず後ろにいた先生に振り返って興奮気味に喋りかけた。
「車イスバスケ。見たことある?」
先生は、一瞬びっくりしたような顔をしたけれど、直ぐにいつもの冷淡な表情で答える。
「初めて見ました。」
私はコートサイドで、先生の隣に並んで、その車イスバスケに魅せられた。