その男、猛獣につき
「こいつ、榎田敦也。俺の同期」
えっ。同期?
声には出さなかったものの、私の表情で驚いたのが分かったのだろう。
敦也さんは、いつものことだといった感じだ。
「リハ学生時代の同期。バイク事故で車イス」
敦也さんは、そう言って、カスタマイズされた車イスを愛しそうに撫でた。
「ちからには、このチームのマネジメントして貰ってんの。」
そう言って、嬉しそうに笑う敦也さんの笑顔はキラキラしている。
「一応、俺もプレイヤー。」
「ちから、まだ試合出たことないだろ。」
淡々と言う先生に敦也さんはガハハと笑う。
先生もその掛け合いが楽しいようで、笑っていた。
「さて、テーピングでもするかな。有田、手伝え」
先生はそう言って、私を助手に選手達にテーピングやアイシングを施していった。